「ニュータイプの時代」を読んで
<著者> 山口 周
■キャリア戦略 の部分から
〇本来の自分らしい自分であろうとする力“コナトゥス”が何によって高められ、またはネガティブな影響を受けるかを知り、結果として人生を楽しむ術を心得た人が賢人。このスピノザの賢人観の紹介があり、そして個々人に異なるコナトゥスが具体的に何によってどのように高められるかについては、やってみないとわからない。
〇本来の自分であろうとする力“エイドス”。本来の自分とは何か。閉ざされた認識、世界観で決めた自己認識が新しい体験や成長の機会を奪うことがある。
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変化の時代に、先行きの見通せない中で、予定調和で安定を守っていても成功や満足は得られない。
わからないけど、とりあえずやってみる。やってみて、合わなければやめればいい。
途方に暮れて立ち止まりたくなる背中を後押ししてもらえた。
変わりたい、だけど何からやれば良いのかわからない。そんなときにぐるぐる最善の道を思案するけれど、アイデアが思いついても頭に去来する不安に一歩踏み出せない経験をしたことが何度もある。
“それって何の意味があるのだろう”
“途中でやめたら時間やお金が無駄になる”
そうして何かを始めることに躊躇する。もっと効率的で適切で確実な挑戦があるのではないかと悩む。そして、調べただけでどこか心が落ち着いてしまい、また他人の成功体験なんかに勇気づけられたりしながら、結局自分では何も起こさず、何も変えられず。そうして気を紛らせながら日々を過ごし、また同じような悩みがループする。
新しい経験や知識がないと、良いアイデアも浮かばず、行動へのモチベーションも起こらない。
3Mの社是として紹介されていた 「試してみよう、なるべく早く」“試す力”が問われる。それは、試して「いい偶然」を引き起こす力だ。
著者の言うとおり、現代は「試すコスト」がどんどん下がっている。
これは今を生きる僕たちに許されたとても大きなアドバンテージであり、チャレンジできる環境を上手に享受する心構えが、今後の人生を楽しむための秘訣になるだろう。
誰しもがもつ経験だからこそ、僕も実感をもって共感できる。そして、何度も挑戦しようとしては辞めることを繰り返し、至った考えがある。
それは、人生に意味のあることなんてない、ということだ。
前提が、ほとんどのことが無意味であると考えること。死んでしまったら何も残らないから。だから、何に意味があって、何にないか、そんな取捨選択なんてしなくていい。
人生は無意味なもの、だから、意味なんて考えず、思い至ったことに挑戦しようと思える。
何となく気になったから、できたらカッコ良いと思ったから、そんな理由で構わない。とりあえず、意味など気にせずやってみる。失敗なんてない。何を選択しても、意味の有無などないのだから。思いのままに選択してみる、たまたまトライしたことで、思いもよらない道が見えることもある。始めてみようと思えた気持ちに従い一歩踏み出せたなら、大事なことはそれに一生懸命になれることだ。
また筆者の言うように、合わなければ辞めればよいし、異なれば修正することもできる。それが現代を楽しく生きるコツなのだろう。そんなことを考えた。