好きを貫く凄み
横川尚隆さんの筋トレ動画に、こんな問答があった。
Q:周囲からの期待に、プレッシャーは感じないですか?
A:そういうのはあんまりないですね。ないわけではないと思うけど、それ自体が楽しいので。ダメだったらそのとき考えればいいので。
Q:毎日ハードワークで追いこんでいるが、そんな日々は楽しいですか?
A:楽しいですね。トレーニングしているときが一番人生楽しいときなので。
毎日大半の時間をジムで筋トレに費やし、自宅時間はジムに向かうための回復時間。
その繰り返し、という言葉は、体を見ればそれが偽りでないことがわかる。
並ではない度胸を感じた。
ボディービル大会で優勝したから何になる?ということの損得で動いていない。
好きを突き詰める。言葉の上では理解できるが、これができる人は少ない。
好きなものをとことん信じて追及すること。
そもそも、これが好きだと断言できるものを持つこと自体が難しい。社会人になり、特に歳を重ねると、色々な理由をつけて、リスクを避けて、追及できない。
“~をやりたい”という願望のことではない。なりふり構わず全身全霊で挑めるものがあるかどうか、ということ。与えられたミッションではなく、自らの選択で。
生活や社会の常識の中でバランスを取ってしまうのが普通だと思う。
自分にはそれしかない。その先にある失敗の可能性があまりにも怖い。
だから、気軽に、ダメになってもいい趣味をもち、ある程度の満足を得る。その繰り返し。
ジムに行って帰って休むだけ。それだけの日々を生きることには、大きな気負いがあるはず。
それでダメだったらどうするのか。また、そもそもそこまでするメリットはあるのか。平準化したマジョリティの中に貫く、狂気と真摯さ。生半可ではない覚悟。
プロ意識か。いや、プロであるから頑張っているのではない。
好きだから追及する。この矜持がある者こそが一流なのかもしれない。