英検準1級合格への挑戦
受験のきっかけ
前回約10か月前に初めて英検準1級を受けて、一次試験が不合格だった。
仕事をしながらの英語勉強ではあったものの、精いっぱい取り組んだ結果の不合格。やりきった感がありながら、道半ばで休止していた。
育休中である今このときの充実を真剣に考えたとき、この育休を子育てのためだけではなく、一度立ち止まり自分自身としっかり向き合い、自分が本当にやりたいことに挑戦する機会にしようと決意した。その挑戦の一つが英検準1級の合格だった。
英語は趣味の一環でしかない。だけど、自らが本気で挑戦し、過去の自分の挑戦を完結させたいと思った。そうした本気の成功体験が自分の誇りになると信じて、約3か月で約150時間をかけて勉強した。
子育ての合間の貴重な時間を捧げ、また家族からの協力を得られているからこそ、絶対に合格する気持ちで勉強に打ち込んだ。
学習方法
基本は全てAbceedアプリ。
タブレット1台あれば、その中で複数の教材をチェックできる。わからないところは、そのままネット検索。AI機能でおすすめ問題や本番形式で練習問題ができるので、弱点分析もできる。
まずは単語学習を重ねる。この単語学習の基礎固めが重要だが、これが一番地味で苦しい。でも、この基礎固めがなければ、問題演習は意味がない。単語学習においては紙の単語帳と併用が好ましい。
次に過去問やおすすめ問題をひたすら解く。まずは時間を気にせず。試験が近づいてきたら、試験に必要なスピード感を意識した問題演習を行う。
英語学習においてはAIの貢献が非常に大きく、今では必要不可欠。自ら英文を作り、添削してもらうことを繰り返し、連日制限がかかるまでひたすら使い倒す。
試験対策と感想
【スピーキング】
S-CBTの場合、本来は2次試験であるスピーキングからのスタート。
スモールトークの後、イラスト問題(準備1分、説明2分)、Q&Aが4問の試験。
前回初めて受験したときは、このイラスト問題で予想外のお題になり動揺してしまった。
そのときのお題はペットビジネス関連。てまりちゃんがいつもそばにいるのに…まさかの盲点。説明時間も余ってしまい、そのあとのQAも素朴な回答しかできなかったため、開始早々気持ちが弱くなったことをはっきり覚えている。(結果的にこのスピーキングだけが合格していた)
スピーキングで波に乗れるかが、この後のモチベーションに大きく影響する。
ただ、このスピーキングテストが緊張のピークであり、焦って冷静さを失ってしまうと、表現力が一気に低下するほど、気持ちの在り方が出来を大きく左右する。
今回は、約6年分の過去問を徹底的に繰り返し学習。多くの問題には共通するものがあり、お決まりの表現の型を増やして、瞬時に描写を言語化できるよう学習した。テキストのみではなく、日常生活の状況や動作を英語で表現できなければすぐに調べる意識づけ、その蓄積が大事だと思う。
QAについては、練習量がモノを言う。色々な質問にまずは文章で回答を作り、修正、記憶する。それを何度も繰り返すと、自分の言葉が見つかる。同じ人間だから、同じような質問には同じような回答をするもの。そのときに、以前使った表現が活きてきて、それが広がり、色々な問題にも応答できるようになる。だから大事なのは、自分の言葉を蓄積していくこと。
本番で意識すべきことは、
・周囲の受験者の話し声や騒音に惑わされないこと。
・イラスト問題は制限時間を意識すること。過去形、過去進行形を使うこと。
・QAはこれまでセルフで練習してきたものを冷静に表現すること。
今回のスピーキングについては、自分の中では上出来だった。
個人商店についてのイラスト問題で、全く予想していなかったけれど、過去問練習で得たベース知識で応用できた。QAも一部予想外ではあったものの、普段蓄積していた言葉を紡ぎ、冷静に対応できた。
【リスニング】
〈パート1〉 12問
学習の成果があり、明確に回答できた問も多かった。
リスニングにおいては“先読み”が不可欠。この先読みのリズムを崩さないことが大事。
ただし、全ての選択肢を十分確認している時間はなく、問題文が流れたら即座に切り替えてリスニングに集中する。
パート1が上手くできると、かなり緊張がほぐれる。
ここは8割以上欲しいところ。今回の結果は実感と伴っているかどうか…。
〈パート2〉 12問
相変わらず難しい。
1つの音声に設問が2つ。自分のスピードだと先読みが最初の問の一部分しかできず、とりあえずリスニングに集中することになる。ただ、パート2は音声の時間が長く、設問のポイントが絞りづらい。全部聴いた後に急いで設問を確認するが、記憶が曖昧なので悩む時間が生じる。さらに、設問内容をゆっくり読んで吟味している時間はなく、一瞬で判断しなければどんどんリズムが崩れて、最悪次の音声の冒頭部分を聞き逃したりする。
ここでも回答リズムが重要。具体的には、2つの設問のうち、最初の方は、音声が終わった直後に回答できるスピード感があれば安定すると感じている。
前回は7問正解。今回は前回同様以上であれば良いが…。パート2が終わった直後に、流れるように終わってしまった、手応えのなさだけは覚えている。
実感としては、リスニング力が足りていない。せめて前半の設問だけでも自信をもって回答できれば安定したが、頭に内容が残らなかった。単語力の欠如、というよりは、一気に長文を取り込む力が足りていないことが原因ではないか。
〈パート3〉 5問
ここは状況説明と設問を先読みできるので得点の稼ぎどころ。
本来は満点を狙いたいところだが…今回、練習問題よりも音声のレベルが高かったように感じた。設問を上から取捨選択していく単純なものではなく、またある程度音声スピードもあったので、ここもできた感じがあまり持てていないのが率直な感想。
【リーディング】
〈パート1〉 単語18問
ここはシンプルな単語問題。
意識することは、わからない問題に時間をかけすぎないこと。
今回も知らない単語が複数あり、自信のないものをいくつかあった。でも可能性が高いものを選択して、時間ロスは防ぐことはできた。ある程度できた感触はあるので、14問以上の正解がほしいところ。
〈パート2〉 長文穴埋め6問
前回はここで悩んで時間をロスした記憶があるので、パート1同様に時間に気を付けた。
文章の流れを意識し、ここも得点源にするつもりでいた。
今回はゆっくり吟味する余裕はなかったけど、しっかり正解の可能性が高いものを選べた気がする。時間も予定よりも少し早く終え、順調に終えることができた。
〈パート3〉 長文読解2題7問
ライティングに時間を残すために、1題だけ終えて、最後にもう1題に戻る作戦。
まず前半の1題はある程度想定どおりの時間で終えることができた。ただ、やはり理解がふわっとしていて、しっかり文章を理解できていない。
設問を先読み、本文を1段落読み終えたら設問に戻る。英検は設問の順番が本文とリンクしているから、こうしたテクニック的なものも重要。
前半のお題では、ミスということは特にない。正解できていなかったら単純に実力不足で、しっかり長文を読む力を養っていく必要がある。
後半はライティングから戻り、最後に対応。
ただ、残り8分。1問だけ何となくといて、残り3問は適当にマーク。読めるところまで読んで、修正していくことにした。でも結局、リミットへの焦りもあり全然長文が頭に入ってこず、そのまま終了。
前回も最後の長文は読めていない。読解力という点ではまだまだだな、と痛感する。
学生達は読解を得点源にできるのだから、高校生の読解力も相当なものだと感心する。
【ライティング】
〈要約問題〉
今回はここが特にネックになった。ライティングもリーディングと同じ90分以内に終える必要があり、今回は最後の長文問題のみ残し、ライティングに時間をかける作戦。
ライティングまでは、予定以上のスピードで到達できた。
しかし、この要約問題で大きな時間ロス。
文章の意味はある程度取れたけれど、上手く抽象化できない…。それにSupporterの意見にHoweverが入っている…?
時間だけが過ぎてしまい、全然まとまらず。断片的な文章だけが手元にできた時点で予定の20分を経過していたため、一旦緩く固めて論文に移行。
論文を終えてから戻り、適当に文章をつなげる。この時点で最後にとっておいた片方の長文読解4問に残り8分。
要約問題は見直しすらできず、試験後に重大な単語ミスにも気づいた。
まだ過去問情報が多くないこの要約問題だけど、予想問題集などを通して、ある程度の練習はできていたが、準備不足な感じがあった。
配点が大きいこのパート。今回高得点はあり得ないが、どこまで点数をもらえるか…。満点の半分とれていれば御の字。
〈論文〉
要約問題で大きく時間をロスしたため、慌てて作成することに。
焦ってうまくタイピングできず、余計に焦る。
お題はシンプルなもので、論文用に予想はしていなかったものの、スピーキング用に頭にあった質問だったので、あまり悩むことなく、書き出すことができた。
ある程度、内容は良いのではないかと思うけれど、こちらも見直しができていない。単語ミスや冠詞の付け忘れなど、徹底的に間違いはなくすことが高得点のカギではあることは承知していながらも、すぐに要約問題に戻らなければならない。
正確で間違いのない文章が一発でどこまで書けているか。この論文もできなければ、ライティング全体で失敗、合格から大きく後退することになる。
試験を終えて
絶対に合格する。今回は特に強い気持ちで挑んだ。
受験者の多くは高校生や大学生で、多分自分が最年長だった。恥ずかしながら相変わらず緊張はするもので、ギリギリまで自分のノートを見返したりして、一切余裕なくみんなと同じように全力で臨んだ。
受験後の感覚としては、不合格でもおかしくない、といったところ。
相当な時間と覚悟を費やして臨んだ今回の試験だったからこそ、絶望も大きい…ということはなく、今はやりきった感が強い。
思いがけない気持ちだけど、合否関係なく、目標に向かって逃げずに全力で取り組めたから、足りなければ実力不足。でもやりきっての実力不足だから、言い訳は一切ない。
もちろん、合格通知がきたら、自分の努力をしっかり認めて、これからの自信に繋げていけると思う。
挑戦してよかったなと思う。
こうした緊張を乗り越えて、とても新鮮な気持ちになれることは、それ自体が本当に貴重な体験だな、と歳を重ねてより強く思う。
一つの挑戦を終えて、とても充実した気持ちでいる。
協力してくれた家族にありがとう、そして、しっかり頑張れた自分にお疲れさま、と心から思う。